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コンセプト

高エネルギー外傷による傷病者においては、現場や搬送途上での適切な処置が予後を左右すると言われており、搬送途上における処置の標準化が救命率の向上に不可欠です。

平成15年6月26日、我が国に於ける病院前の外傷観察・処置標準化プログラムの普及を目的として、Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care(JPTEC:ジェイピーテック)協議会が発足致しました。

本協議会は日本救急医学会メディカルコントロール体制検討委員会の下部組織として位置付けられ、日本救急医学会各地方会傘下のJPTEC協議会地方支部が運営してきました。

平成19年4月、JPTEC協議会は独立法人となり、全国の地方支部も協議会と契約をする各々の団体となりました。

協議会発足時の役員及びオブザーバーは関係機関の代表と日本救急医学会の地方会からの代表で構成されています。

ゆえにJPTECは日本救急医学会公認の病院前外傷教育プログラムであり、医師向けのJapan Advanced Trauma Evaluation and Care ( JATEC ) との整合性を保つことにより、病院前から病院内まで一貫した思想のもとに標準的な外傷教育を行い、我が国において、防ぎうる外傷死亡(Preventable Trauma Death:PTD)の撲滅を目指すものです。

本プログラムはメディカルコントロール体制構築の一環として位置づけられており、外傷に関する研修、指示・指導、事後検証の基盤でもあります。我が国でも交通移動の手段の高速化とともに、昭和40年代から重症外傷による死亡が増加してきました。2002年の「平成14年人口動態統計」によると、1〜24歳までの年齢では、不慮の事故による死亡が第1位、全年代を通じても死亡原因の5位(24283人)に入るなど、実活動年齢の外傷死亡が社会に与える損失は極めて大きくなっています。

「救命救急センターにおける重症外傷患者への対応の充実に向けた研究」(平成13年度厚生科学特別研究:主任研究者;島崎修次)の報告書によればCPAOA患者を除く外傷死亡患者のうち40%近くが予防できる外傷死亡(Preventable Trauma Death:PTD)であると報告しています。このことから外傷死亡を減らすには「外傷システム」の整備と「外傷初療標準化」が重要であるといえます。

時間との戦い

重症外傷では、受傷から決定的治療(definitive treatment:手術や止血術など)を開始するまでの時間が1時間を超えるか否かによって生死が分かれると報告され、この最初の1時間をgolden hour(ゴールデンアワー)と呼び、外傷患者の治療上重要視されています。

外傷患者の救命率を改善するために最も効果的と考えられるのは、重症度・緊急度の高い患者を、短時間で適切な医療機関へ搬送することです。

受傷から1時間以内に手術室に搬入することを考えると、現場活動の為に許される時間は極めて短く、ゴールデンアワーの60分のうちでも、受傷後の最初の10分はプラチナタイムともいわれ、現場に滞在する時間が極めて重要であることを示しています。

ゆえに、外傷現場活動においては、患者の接触と同時に迅速な観察を開始し、生命が脅かされる可能性がある事項についての観察と処置のみを行い、一刻も早く外傷治療が可能な医療機関(救命救急センター等)へ搬送すべきなのです。

Load and Go

すなわち、生命維持に関係のない部位の観察や処置は現場では極力省略して、搬送時間を短縮することが求められます。そして詳細な観察は救急車内収容後に行います。この概念をLoad and Go(ロード&ゴー)といいます。

JPTECとは、外傷現場において適切かつ迅速な観察を行い、ロード&ゴーの適応を判断し、生命危機に関わる処置のみを行い、ただちに現場を出発し、また適切な処置が行える医療機関に、適切な搬送手段を用いて早期に搬入する方法を学ぶための教育プログラムなのです。

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